地上における最も神聖な場所とは、往古の憎悪が現在の愛となった場所である。
- T-26.IX.6:1(奇跡講座)
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彼に別れを告げられ、Xさんからは散々ざまーみろと蔑まされて、中学を卒業するまでの半年以上、泣かない夜は無かったのではないかという位、涙に暮れました。
しかし、その気持ちの中に、Xさんを憎むのかと言えば、実は それは不思議とありませんでした。
私はずっと彼女が、彼に完全に避けられているのにも関わらず、"それでもZ君が好き" という一途な想いに関しては感心していたほどです。
きっと彼女も今までに色々あって、それで想いが後天的に屈折したのだと思いますが、そんな彼女だって、かつては私と同様に 純粋に 彼を好きであったはずなのです。
また、現状の彼女にどう打てあっても、彼女を改心させたり変化させるのは難しいだろうから、別の視点を持って("愛を求める叫び声"を上げる)彼女を理解しようとしていたのです。
一方Z君に対しては、彼を想う気持ちに変わりはありませんでした。
しかし、彼の状況などもあらゆることを想定しましたが、「色んなことを話し合ってきた私達だったのに、最終決断(別れるという決断)下す前に、何故相談してくれなかったの?」という点についてだけは、当初はなかなか納得できませんでした。
そして当然、別れようと思うほどの彼の危険信号をもっとしっかり察知できなかった自分のことや 自らの無力さを、何より悔いて責めました。
彼のことを信じていたのですが、それでも雲行きの怪しさを感じた時点で、自分から彼に歩み寄って相談し合えるような状況を作るべきだったのです。
---- でも、たくさん泣いて たくさん考えて、最終的に、
【 私は、誰のことも責めない・憎まない 】
---- という境地に達しました。
心からそう思えた時、やっと平安な想いが蘇ってきた安堵感を、今でもハッキリと覚えています。
これが大きなターニングポイントであり、私にとっての最初の聖なる瞬間だったのだと考えています。
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私が女子大生になった時、Z君が某大学に行っているという 風の便り を耳にしました。
頭脳明晰の彼にピッタリの学校だな~と思えました。
そして私は、その年の年賀状に、そのことを書いて彼に送ったのです。
---- すると元旦の午後2時頃、Z君から家に電話が。
母に取り次いでもらったのですが、本当に彼からなのか、半信半疑で電話に出ると,,,
「おぅ、Zだけど、、久しぶり ^^
年賀状届いたよ。」
約4年ぶりに、懐かしい声が受話器の向こうから聴こえてきました。
電話をかけてきてくれたのは、私の聞いた風の便りが間違った情報であったから。
受験はしたけど、通っているのはその大学じゃない、と(≧▽≦;;;
近況報告をし合っていると、彼は
「なぁ、会って話しない?」と言ってくれました。
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翌日、会うことに。
以前は私と同じくらいの背丈だったのに、現れた彼は20cm以上 長身になっていました。
開いていたモスバーガーに入って、最初は思い出話に花を咲かせました。
そして必然的に、別れた時の話に。
彼は真剣な顔になって おもむろに「あの時は、ごめん。」と謝ると、どれだけ別れたことを後悔したか、どれだけガキで未熟だったか、どれだけ自分が悪かったか…等々を、堰を切ったように喋り出しました。
彼は、謝りたくて会おうと言ってくれたのかもしれません。
最初は受け止めるように聞いて、彼が一通り話し終えると、私は今まで考え抜いて達したこれまでのことを伝えました。
彼に伝えた根本的なことは、確かに別れたことは当初悲しくて仕方なかったけれど、もう全てに感謝している、という風に変わったのだと伝えました。
何故・どうして一緒にいてくれなかったの、何故・どうして何も話してくれなかったの...等々、責めるような疑問(=自我/エゴの主張)は 挙げたらキリがありません。 そのような気持ちで、私達の幸せな出逢いや思い出を台無しにしたくなかった、と伝えました。
【 私は、誰のことも責めない・憎まない 】と決めると、自我/エゴを主張する代わりに、どれほどの歓びや幸せを与えてもらったか、それらに感謝する想い(愛の領域の思考)の方が勝っていったのだと。
こうした経験の一端を担ってくれたXさんにさえ、私をここまで成長させてくれてありがとう、と思えるようになったと言いました。
また、二人で付き合っていたのだから、どちらか一方だけが悪いだなんて思ってないことも伝えました。 私も当時は子供で、どうしたら良かったのかわからないことだらけで、私も悪かったと思っている、と。
私達の付き合い方で、私自身が こうするべきだったと反省した点は、その後の人生で活かす努力をしていると、伝えました。
だからもし、Z君の中で、これは良くなかったナと本当に思うことがあるのなら、この先 同じ過ちが繰り返されないようにしてくれれば、私はそれで嬉しく思う、と伝えました。
それでもZ君は、
「でも、俺が...」
「でも、おまえはずっと信じてくれていたのに...」
etc etc...幾度も切り替えしてきましたが、私はまるでこの時すでにコース(奇跡講座)を実践しているかの如く、彼を赦しに赦しまくりました。
私達の関係に、如何なる悲しき・ネガティブな思い出=罪悪感を持って欲しくなかったのです。
「本当に、私、怒ってないし、恨んでないし、憎んでないの。
Z君のこと、人として嫌いになったこと、一度もないよ。」
ブレない私の姿勢に、彼は自分が赦されていることを、やっと受け入れてくれたようでした。
この頃から、私のサードアイは、ごく稀に稼働していました。
この実りある会話の最中、キラキラとしてあたたかなヴェール/エナジーが降りて来て、私達を覆っているのを心の眼で見て感じていたのです。
日も暮れるころ、お開きに。
とても有意義な時間でした✧*
真冬の北風が強く、
彼は 寒いな~~と言い、
私は 寒いね~~ と返すと、
「あのさ...抱きしめてもいい?」
と聞かれました。
ダキシメテモイイ???----全くの予想外で、言葉を失ってしまいました。
一瞬の沈黙の後、私は無言でにっこり微笑んで 腕を上げると、彼は自分のコートの前身頃をふわっと広げて、そこに包むようにして抱きしめてくれました。
人はまばらの駅前近くで、一体どのくらいそうしていたでしょう...
彼の胸に顔を埋めながら、私から口を開いたと記憶しています。
「ねぇ、、ホントに背ぇ高くなったね。」
「..高校入ってだいぶ伸びたんだよ ^^」
彼の成長が、時の流れを感じさせました。
「少しはあったかいか?」
「うん。。。」(もう寒さなんて微塵も感じず(≧▽≦)
「あの時は、本当にごめんな。」
「私も、ごめんね。」
「…俺らに "もしも" が無いのは、わかってる。
わかってるけど、もしも 俺があんなにガキじゃなかったら、あとたった数年でも大人だったら、絶対におまえを離さなかった。Yみたいな子を、離すわけがない。
もう、マジで俺はバカなことをしたよ...ほんっっと、ゴメン。」
「私達、"二人とも" 子供だったもんね。。。」
すると彼は、一層強くぎゅううっと腕に力を込めてくれました。
私は、以前から彼の気持ちの込め方が好きでした。 視線一つ投げかけるのにも、そこに気持ちの乗せ方・込め方を知っている人なのです。
私は胸がいっぱい過ぎて、これ以上 何も言うことができませんでした。
そして、過去のこの古傷が 私の肉体から抜けて、光に召されて成仏するかのようなビジョンを、私はこの上なくハッキリと、心の眼で見たのです。
僅かなわだかまりも完全に消滅しきった感じでした *.+゜
(ワンネス的には 1%でも愛でないものがあれば、それは愛にはなりません。)
今まで何があっても、Xさんには言い返さず、やり返さずにいたこと。
誰かや、状況を恨むことはいくらでも簡単にできても、そうではなく 誰のことも責めず憎まず、感謝や赦すことにフォーカスする努力を貫いたこと....これらの報いを、私は得ることができたのだと思いました。
私は彼のこのぬくもりを、絶対に忘れない、忘れたくない、憶えていようと思いました。
神聖な関係 ⑥ につづく。。。